松田靜心さんの作品に想うこと/(株)アクエリアス・角聖子音楽院・角聖子・松田靜心・アート・デザイン・ピアノ・音楽プロデュース

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松田靜心さんの作品に想うこと

私は色にうるさい男である。
幼い頃から「光と影」に興味を持ち、「かたち」のある陶器や彫刻が好きになった。
そんな人間にとって、絵画という平面の表現には、余程の事がないと興味を惹かれない。
ましてや日本人はくすんだ色を好んで使うため、明暗がハッキリしないことが多い。
そうなれば色彩による論理など期待できず、色は個性なく、語り掛けて来ないことが殆どである。

だが松田さんの色は美しい。
色の静謐を感じる。
静かに佇んだ色だが、静寂ではない。
凛とした色の気品と気迫には、爆発的なエネルギーが内包されたように感じる。
松田さんの色には、他者を邪魔して主張する愚かさなど微塵もなく、ただひたすら温かい波動で周囲の家具や人を包み込む。
桜島の火山灰なのか、松田靜心の特性か、その辺りを読み解くのは大変興味深い命題だ。
「灰に帰す」とは、「無に帰する」こと。
或は死を意味する。
無や死から、ここまで鮮やかな「色の生」が産み出されるとは、誰の想像をも超えた、まさに驚きの至芸である。

松田靜心の「黒」には黒楽と同じ宇宙がある。
黒楽とそこに練られた濃茶が生み出すコントラストは、観る者を深淵なる世界に引きずり込んでゆく。
そんな不思議な「ちから」を、私は松田靜心の色に感じるのだ。

指揮者 村中大祐

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