Water Sky のこと/(株)アクエリアス・角聖子音楽院・角聖子・松田靜心・アート・デザイン・ピアノ・音楽プロデュース

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Water Sky のこと

 「水色は涙色、そんな便箋に・・・」そんな歌詞で始まる昭和の歌謡曲があった。
あべ静江がセリフの後に歌う『みずいろの手紙』の冒頭のフレーズ。会えなくなった彼に送る寂しい想いを綴る歌だ。

ニューミュージックバンドのチューリップは自曲の『ブルー・スカイ』で
「おぉ、ブルースカイ、この空の明るさよ、なぜ僕のこの悲しみ映してはくれない・・・」と歌う。

当時のアイドル西城秀樹も『ブルースカイ ブルー』で、
「ふり向けばあの時の目にしみる空の青さを思う、悲しみの旅立ちに・・・青空よ」と。
恋しさとやぶれた恋の夢、悲しみや寂しさを感傷的に歌っていた。

近年では、伝説のロックバンドTHE BLUE HEARTSは
「・・・神様にワイロを贈り、天国へのパスポートをねだるなんて・・・眩しいほど青い空の真下で・・・」と『青空』の中で歌う。
初めて映像で見た1945.8.6、広島の空も澄み渡る青空だった。。。


 直接的に色の名前を上げずとも色をイメージできる言葉を探してみると、如何に自然界を象徴的に表していることか。
それもそのはずだ、人間もその自然界、地球の一部なのだから。

2月の個展のテーマ、イエローに続く4月のテーマがなかなか決まらなかった。
3月に入り、ふと湧いてきた水色、或いは空色。
今回は、直接的な色の名前を使わずにテーマを表すことにしてみた。

水色と空色、余りにも直截すぎるのだが、水と空を英語にしてみると「Water Sky」ではないか。
水と空、本来どちらも薄い(ライト)ブルー系の色彩をイメージさせる。
イエローが光、太陽、向日葵、菜の花を表すなら、水色は水を、空色は空気を表す色。
太陽(光)に水と空気。どれも人間はもちろん、地球上のありとあらゆる生命を育むために不可欠なものではないか。

 もちろん後付けなのだが、春真っ只中の4月であればこそか、フランス語で雲を言うニュアージュでの初個展には、ぴったりかもしれない。

 余談だが、「Water Sky」と言う自然現象がある。この日本はもちろん、その自然現象を目のあたりにできるのは世界でも稀有なことらしい。氷に閉ざされた北極で、一部分割れた氷の海が黒く空に写る現象らしい。これによって、極北の地に暮らすエスキモーなどは、氷の裂け目の存在を覚知しているという。
当然のことながらこの現象を目撃したことはない。実際はほぼ白黒のモノトーンに近いとのことなのだ。それでもイメージするのは、やはり水の色と空の色、そして互いの色の交わりなのだ。

 イエロー同様、単独の色彩としてのスカイブルーもウォーターブルーも強い印象はほとんどない、それどころか印象は極めて薄い。近くにあって当然すぎる、普段は気に止めることさえないかもしれない。だが、ひとたび不測の事態が起きようものなら、地球上の生きとし生けるものに存続の危機、絶滅の危機が訪れる。

 生命の源であり、安らぎと危険を同時に孕んだ、見た目の柔らかな優しい印象の奥には、まったく逆の面を持つ、かなり個性的な色彩と言えるかもしれないのだ。

 とまあ、作者本人の意図はこれくらいにして、作品の是非の行方は周知の如く見ていただいた方に委ねることにしよう。
 如何にしろ、今回も自由にイマジネーションを広げていただければ嬉しいのだ。

2017.4.2
松田靜心

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